HIPHOP

アーティストは政治的発言をするべきか?〜Kダブシャインとミスチルファンの抗争〜

アーティストの政治的発言の是非


前回の記事で僕は、「アーティストが政治的発言をするのは反対だ」という事を述べさせて貰った。

厳密に言うならば、「普段から政治問題や社会問題を曲として扱っていないアーティストが突然SNS等で発言するのは反対だ」とさせて頂きたい。

同じテーマについて追記を書くのは、日本のHIPHOP界の大御所Kダブシャインのある日のツイートに端を発する。

Kダブシャイン問題のツイート

https://twitter.com/kingkottakromac/status/1260373622545244160

このツイートでKダブシャインはMr.Childrenを批判した。
まぁ批判と言っても、一個人の感想をただただ言っただけとも言えるが、今やSNSはれっきとした世公の場である。
飲み屋でほろ酔い気分で悪口を言っているのとは違い、立派な意見表明となる。


正直な所、僕もMr.Childrenの曲が心に響いた経験はない。
なんならあんまり好きじゃない。
カラオケに行った時にみんなが歌うのである程度は知っているが、自分のウォークマンには1曲も入っていない。

そしてKダブシャインもはっきり言ってあまり好きではない。
僕がHIPHOPをダサいと思う大きな理由に、「HIPHOPの定義についてうるさい奴が多い」というのがある。
その先頭をTwitter上で駆け抜けているのがKダブシャインだ。
Kダブシャインは過去から積み上げたHIPHOPという文化を風化させずに受け継いでいこうとする姿勢が感じられる。

その姿勢をうるさいと感じる一方で、存在には意味があると思っている。
それについてはまた、別の機会に改めて記事を書こうと思う。

「ロックの否定じゃん」発言について


僕は高校生の頃、B’zも好きだったしBOOWYも好きだった。
思春期の僕の瞳には、誰よりも格好良く映った。

観客全員をアジテートするようなエネルギッシュな稲葉の声も、
“氷室京介”という偶像に傷一つ付けない振る舞いをする氷室の姿も、
正確無比な松本のギターも唯一無二な布袋のギターも、
なんの目標も無かった高校生の僕の心に火を着けるのに充分だった。


だがバンド仲間や先輩達には、「彼等はロックじゃない」と笑われた。
その頃の僕はチャックベリーやThe Rolling Stonesなどのロックの神様と呼ばれる音楽と、B’zやBOOWYの何が違うのか分からなかった。


僕は、音楽をジャンルで語る人々は相手にしない事にした。
それと同時に、「生き方がロック」という言葉にも信用を置かない事にした。
音楽以外の場所で使うべき言葉とは僕にはどうしても思えなかった。
僕の中でロックという言葉はどんどん陳腐なものになっていった。


今回のKダブシャインの発言にもがっかりした。
ロックが云々という論法を使う人の言葉には説得力がない。

ロックとは何か?


「ロックは反体制」と言われる。
「反体制でなければロックではない」と人々は言う。

ならば「反体制という体制を守るのがロック」だ。
となってしまう。

こんな簡単に自己矛盾を起こすような言葉を積極的に使う人間はレベルが低いなぁと思ってしまう。

ZEEBRAやケーダブは衰退期!?HIPHOPおじさん


マイケルポーターの競争戦略にプロダクト・ライフサイクルというものがある。
製品の成長サイクルを、導入期、成長期、成熟期、衰退期と分けて考えるものだ。

アーティストの一生もこれに当てはめて考えることができる。

①導入期・・・音楽活動を始め、まだバズって無いアーティストをいち早く見つける人々に認知される。

②成長期・・・インフルエンサーのような流行りを生み出す人々に認知され、メディアへの露出が増える。

③成熟期・・・固定のファンが付き、アルバムのセールスやライブの集客も安定した活動を継続的に行なっている。

④衰退期・・・音楽活動の頻度が減るが、世間での認知度は高いためコメンテーター、批評などの仕事を主にこなす。

これを2020年現時点でのHIPHOP界で当てはめて考えてみよう。
個々人に規模の差こそあれど、

導入期・・・dodo、tohji、Red Eyeなど
成長期・・・唾奇、WILYWNKA、舐達磨など
成熟期・・・NORIKIYO、般若、AK-69など
衰退期・・・ZEEBRA、Kダブシャイン、UZIなど

のようになるのではないだろうか。

僕の感覚だと、衰退期に入った人間ほどHIPHOPという看板を背負いたがる。
ロックでいうとThe Rolling Stonesしかり、Aero Smithしかり、矢沢永吉しかり・・・

「音楽は自由」だ。

すきにやる/変態紳士クラブ

月並みな言い方になってしまうが、この一言に尽きる。
アーティスト自身がやりたい事をやればいいだけである。

Mr.Childrenの桜井和寿は僕の考えと近い。

https://www.excite.co.jp/news/article/E1439371460949/


簡単にまとめると、
「政治的な発言をしないというのは、歌詞にメッセージを込めないのとは違う」
「問題提起をして、ファンは興味を持って一人一人がその問題について考えるきっかけになれば良い。」
「自分は音楽家であって、それ以外の分野で自分の思想を無闇に発信しない。」
と言った内容だ。

Kダブシャインは星野源やミスチルに自分の価値観を押し付けるのは辞めて欲しい。

https://twitter.com/kingkottakromac/status/1263622409216684033


メッセージのないように見える曲より、はっきりとメッセージのある曲の方が優れているという事は断じて有り得ない。

だがHIPHOP界隈の人々にはこういった意識があるようだ。

https://twitter.com/kingkottakromac/status/1264871719006699521



ロックやHIPHOPは音楽のジャンルの名前でしかないと僕は思う。


たかが音楽のジャンル名に色々なものを背負わせ過ぎるのは、
「曖昧にする事で、どんな物事も都合の良い様に解釈をして”それっぽく”みせたい愚か者が使う手段」だと僕は思う。

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ショーペン
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HIPHOPが嫌いだけど好きな元バンドマン。28歳。 Twitterをフォローして頂けると更新をお知らせいたします。 小鳥をクリックすると僕のTwitterアカウントに飛べます。         ↓↓↓↓↓

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