HIPHOP

GADOROはセックスドール?〜ギタリスト布袋寅泰との共通点〜

宮崎出身の”クズ”ラッパーGADORO

GADOROと言えばMCバトルヘッズ達は泣いて喜ぶレジェンドになりつつある。
戦極での優勝、KING OF KINGSの2連覇を達成するなど、活躍は目覚しいものがあった。

MCバトルと並行して楽曲活動にも力を入れているようだ。
2017年から2020年までで「四畳半」「花水木」「SUIGARA」「1LDK」と4枚のフルアルバムを出している。
製作ペースが早いと言われているNORIKIYOと同等のレベルだ。

NORIKIYOも2017年から「Bouquet」「馬鹿と鋏」「平成エクスプレス」「New Drug(AKLOとの共作」と4枚のアルバムをリリースしている。

GADOROはセックスドールのようなリズム感の持ち主

前回の記事で、輪入道と同様に感動ポルノが多いとしたが、
GADOROはただただ歌唱法としてのラップが上手い。

MCバトルであろうと楽曲であろうと、字幕なしでもほぼほぼ聞き取ることが出来る。

ゆっくりフロウするラッパーで聴き取りやすい人はいるが、
早口のラップであれだけ聞き取れるのはなかなかレベルが高い。

漢 a.k.a GAMIなんてバトルだと、ほぼほぼ何言っているのか分からない。


スタッカートの効いたキレキレのGADOROのラップは、
セックスドールのように抜群のリズム感だ。




「・・・は?なに言ってんのキモ」


と思った方も居るだろうが、ちょっと待って落ち着いて。



・・・聞いて。


ちなみにスタッカートの意味はこちら・・・・・

スタッカート
音楽
《名・副》一音一音を切り離して短く(演奏すること)。
対義語:
レガート
▷ イタリア staccato

Oxford Languagesの定義


漢 a.k.a GAMIはドンちゃん、GADOROはカッちゃん


太鼓の達人をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれない。

「ドン!」の方は少し響きがあって余韻が残る音だが、「カッ!」の方は響きも余韻も無くスパッと音が切れる。

GADOROのラップは「ドン!」ではなく「カッ!」の方。
・・・なんとなくイメージ出来るだろうか。

さっき漢 a.k.a GAMIを引き合いに出したので、ついでに例として説明する。
漢 a.k.a GAMIのラップは「ドン!」の方。


同じ1小節でも、どれくらいの感覚でリズムを取るかによってラップの仕方も変わってくる。

↓これが1小節としよう
||||||||


ドンちゃんこと漢 a.k.a GAMIはこの8本のリズムを最初と最後の拍を意識してフロウする。

||||||||
↑・・・・・・↑

余韻がある「ドン!」タイプなので↑以外の所は多少ズレていても気にならない。
更に言うならば↑の所がズレていても、↑の所に余韻が掛かっているので多少気にならない。


対してカッちゃんであるGADOROはこの8本のリズムの全ての拍を意識してフロウする。

||||||||
↑↑↑↑↑↑↑↑

余韻が無い「カッ!」タイプでしっかり全ての拍のタイミングドンピシャの所でだけで音を叩き、一瞬で切る。機械的にハメていくセックスドールかなって感じだ。


「機械的なリズムより、多少ズレていた方がグルーヴ感が生まれるんだ。」などと知ったかぶりの奴がたまに居るが、そいつは音楽通ぶりたいだけの輩なのでシカトしよう。

グルーヴは“同じ間隔”で少しだけズレ続けるからこそ生まれるものだ。
リズムがしっちゃかめっちゃかなのはグルーヴじゃない。ただの下手くその言い訳だ。

メトロノームぐらいの正確なリズム感を兼ね備えた人間だけがグルーヴ感という言葉を使えるのだ。


GADOROはまるで音を切るために音を出しているかのように、スタッカートを効かせたラップだからこそ聴き心地が良い。


「音を切るために出している」
・・・・ん?どっかで聞いたことがある台詞だ

GADOROのラップと布袋寅泰のギターの共通点

ちょっとごめんね。急に話ズレるんだけど、GADOROのラップって布袋寅泰のギターに似てるのね。マキバオーなのね。

「あ?ウルセェ誰だよ。」と思ったらこのトピックは飛ばしてくれてもいいのね。

ギターキッズなら誰しも通ったであろう「BAD FEELING」という有名曲だ。
布袋のギターはGADOROのラップと同じく、スタッカートを効かせて音をスパッときる事にこだわっている。

「布袋はカッティングの天才だ」と良く言われる。
そう、まさにカッティングと呼ばれる奏法こそ、音をスパッと切る奏法だ。


「布袋はダセェけどカッティングだけは上手いよね。」
と昔バンドの先輩に言われたことがある。




・・・・あ?うるせぇお前のがダセェ。





私怨が出てしまったが、話を戻す。


カッティングと並んでブラッシングと呼ばれる奏法も布袋は大の得意だ。
音階のある音を出さないで、ザザザッとDJのスクラッチのような摩擦音を出す奏法である。


動画でいうと3:30辺りからの奏法だ。
(まぁ厳密にいうと若干違うが、こんな雰囲気の奏法です。)

ちなみに布袋は関ジャムに出演した際に、詳しく説明している。
僕の説明よりこの動画を見た方が早い。
百聞は一見にしかず、だ。

https://twitter.com/KJ8BB/status/1138435043603361794?ref_src=twsrc%5Etfw%7Ctwcamp%5Etweetembed%7Ctwterm%5E1138435043603361794%7Ctwgr%5E&ref_url=https%3A%2F%2Fsyopen-goo.me%2Fgadoro%2F



音階も無い、リズム感だけでいく・・・これはもはやラップでは・・・・!
と思ってこのトピックを書いた次第であります。

音を切ることの大事さを意識して行なっているGADOROと布袋は似ている。

感動ポルノシリーズは続くのか?

急に話を戻すが、GADOROの曲は大体以下の3つのパターンに分かれる。

  • 出世作の「クズ」「友達」「幸せ」「ハジマリ」などのピアノ主体の観音クリエイション的な ビートに心に沁み入る系のリリックの曲
  • 「カタツムリ」「背中」「相棒」「最後の詩」などのばあちゃんや親などの家族とバックDJに向けた感謝系の曲
  • 「CONCRETE JUNGLE」「ROLLER COASTER」「KUSONEET DREAMS」「BLACK BELLY」などの激しめのビートに誰か噛み付く系の曲


1stアルバムから最新アルバムまで僕は聴いているが、正直「クズ」のような感動ポルノ系のパターンは少しマンネリ化してきた感がある。


「1LDK」でいえば「ハジマリ」よりも、「カクシゴト」や「VERY VERY」のようなミドルテンポで淡々とスタッカートの効いたラップをするGADOROをもう少し見たいと感じる今日この頃だ。

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ショーペン
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HIPHOPが嫌いだけど好きな元バンドマン。28歳。 Twitterをフォローして頂けると更新をお知らせいたします。 小鳥をクリックすると僕のTwitterアカウントに飛べます。         ↓↓↓↓↓

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