HIPHOP界では韻を踏む事をカッコつけて「ライム」と呼ぶが、
それらの基本構造は駄洒落と全く変わらない。
だが、HIPHOP界の人間に「ライムとダジャレの違いがワカンねぇー笑」
などと言うと、
「はぁ・・・なんも分かってない」
「分かってねぇな!分かってねぇな!」
などとひどい罵倒を受けることになる。
韻を踏むことにこだわらないShingo02や狐火などポエトリー系の人々はラッパーではないのだろうか・・・。
ラッパーはどう思っているのかと気になったが、
MCバトルでのいわゆるライム対決にラッパーが苦言を呈しているリリックも見られる。
Nihongo rap no joke show/NORIKIYO
何文字の韻を何回踏んだ?はいw いいからアゲろよ
ダジャレとライムの違いとは?FORKの解説
来週で最終回だと噂になっているフリースタイルダンジョンの
初代モンスターと2代目モンスターの回。
それはFORKとR指定との対決だった。
FORK:「ダジャレとライムの違いもわかんねぇのか?」
あー、ついに分かりやすく教えてくれる人が現れた。よかった。
なんか背中に書いてあるな・・・。RHYME SAVER?
海とかプールにいるライフセーバーとライムセーバーをかけてるのね。
ふーん。韻を守るのね。
・・・韻を守るってなんだ。
FORK:「布団が吹っ飛んだ。これはダジャレだ。」
お、そうだな。
FORK:「布団が俺に吹く強烈な追い風に乗って吹っ飛んだ。これはライムだ。」
・・・ん?なんで?
FORK:「ライムって言うのは踏んでる部分だけじゃ無い。そこまでのプロセスに全てをかけなさい。」
・・・え?なんて?どういうことどういうこと。
単語を並べるだけじゃダメだよって言いたいのかな・・・。
イマイチわかんないよFORKさん・・・
と思ったら、観客もまばらな湧き具合でR指定も「ん・・・?」みたいな顔をしている。
よかった。わからないのは僕だけじゃなかったんだね。
ラッパーが韻を踏む目的とは?
韻を踏むと言う行為の一番の目的は「リズムを作り出す事」である事だと思っている。
同じ発音の音を等間隔もしくはアクセントを付けたい符割に置く事によって、
繰り返しによるリズムを生み出す。
極端に言えば、歌唱法でリズムを付けられるなら韻を踏む必要もない。
だが、メロディーよりもリズムを重視するラップという歌唱法だからこそ、
効果的にリズムを生み出すために「韻を踏む」というテクニックを駆使しているのではなかったのだろうか。
意味の通った韻それだけでは結局はダジャレと同じだ。
カッコつけてライムと言っているだけで、
上手いこと言おうとしている姿勢に違いはない。
だから否定しなくても良いんじゃないですかね・・・?
と個人的に思う。
バースの最後にドヤ顔で韻を踏んで「これがライムだ」と言っている人がいるが、
それはライムって呼んでるのかも知んないけどダジャレだよ。
それまんまダジャレの楽しみ方とおんなじだよ。と言いたくなる時がある。
韻を踏むのが上手い人はダジャレ選手権に出たら恐らく強い。
そんな大会があるのか知らないが・・・
カッコいいと思うのがライム。面白いと思うのがダジャレ。
まぁ多分そういう認識なのだろう。
「意味が通ってて韻も踏んでいるんだスゲェだろそれがライムだよ。」と言われても
「あーそれがダジャレという奴では・・・?」と思ってしまう。
「聴いてる人をリズムで気持ちよくさせるのがライムだよ。」
と言われた方が僕は納得できるなぁと思う。
EMINEMの禁じ手「言葉を曲げる」
有名な話だが、英語の「orange」という単語は常用単語の中では完全な韻を踏めない単語とされる。
だが、Rap Godでお馴染みのEMINEMは過去のインタビューで以下のような事を言っていた。
(※話の内容以外、だいぶ編集してるので注意)
記者:「あなたは”orange”でも韻を踏めるとおっしゃる。」
エミネム:「踏めるよ。言葉を曲げればね。」
記者:「言葉を曲げる・・・だと?」
エミネム:「発音の仕方を変えるって事だよ。HAHA!」
記者:「HA?何言ってんの?」
エミネム:「オレンジもオーレンジとかにすれば、色々踏めるって訳!」
記者:「なんだって!そりゃすげぇ!笑っちゃうね!HAHAHA!』
みたいなやり取りが交わされている。
イントネーションやアクセントを変える事で無理矢理同じ音を作り出す。
それを用いて韻を踏んでいるとEMINEMは教えてくれた。
日本語でもこの方法を取り入れてるラップは多いが、僕は聞くと少し違和感を感じてしまう。
ぶっちゃけ僕は英語はよくわかんないので、英語のラップを聴いてる時は
元々何を言っているのかわからないので違和感を感じないというだけなのだが。
・・・これは自慢なのだが、”僕は日本語が出来てしまう。”
なので日本語のラップを聞くときには普段の発音と違う単語達に違和感を感じる。
あんまスマートじゃないなぁという感想がどうしても出てくる。
メロディーがあるJ-POPには違和感を感じない。
〜ドリカム 「大阪LOVER」を例に〜
だが、J-POPなどの曲では違和感を感じる事はない。
それはラップと違って、そもそもメロディーに言葉を乗せているからだ。
歌の世界ではメロディーが一番の優先順位であり、
イントネーションやアクセントは意識されない。
今、唐突に僕の頭の中に浮かんできたフレーズを例として出す。
知らなかったらゴメン。
そして本家の動画は埋め込み不可だったのでカバーを貼る。
重ね重ねゴメン。
・・と思ったら誰が歌っててもDREAMS COME TRUEの曲は
埋め込めないみたいなので動画は無しです。
まじでゴメン。
全然関係ないけどこの人めっちゃ可愛くない?
関係ないねゴメン。
「東京タワーだってあなたと見る通天閣には叶わへんよ。」
という歌詞を歌う吉田美和。
乙女心を固有名詞を使って表現している良い歌詞だ。
この歌の中では、「東京タワー」も「通天閣」の発音も話し言葉とは全く違う。
だが、歌を聴く時には言葉の発音よりもメロディーが優先されるために違和感を感じない。
例えば、日本語の上手くない外国人がJ-POPを歌うと、
話している時より発音に対しての違和感を感じない。(逆も然り)
じゃあ何故ラップだと違和感を感じてしまうのかと言えば、
ラップがメロディーを重要視しない歌唱法であるという事に原因がある。
話し言葉とほぼ変わらないラップ上でやってしまうから違和感が生まれる。
特にゆっくりとしたフロウのラップでやられると
「いや明らかに発音おかしいだろ」
と思ってしまう時がある。
なんなら何言ってんのか聞き取れないぐらいにやれば特に違和感はない。
なんなら大したこと言ってないのだから、聞き取れなくても問題はない。
英語のラップもどうせ聞き取れてないのに、
ヘッズ達は「U.SはーU.Sはー」と神格化しているのだから。
アメリカって言えよ。
「タカティータカティー」でお馴染みのSKY-HI
リズムで沸くのがライムだと言われた方がなんなら納得性は高いと上で書いたが、
それを体現しているのがこの曲かなぁと思う。
さぁ、ニワカニワカ HIPHOP分かってない分かってないと叩くがいい。
・・・どうだろう。
何を言っているのかほぼほぼ聞き取れないのではないか。
髭面のDOTAMAが「タカティータカティー」と揶揄したのもわからんでもない。
ただ、このバースは韻を散りばめて、
ラップ=声だけで気持ちよくリズムを作り出している。
非常に聴いていて気持ちが良いバースになっている。
HIPHOP界の人々は攻撃されていると感じると執拗に反発する
HIPHOPに誇りを持つのは別に構わないが、
「ダジャレなんかと一緒にすんじゃねーよ。」
とダジャレを下に見るような言い方はどうかと思うのね。
「意味の通った韻を踏む」という点では、全く同じなのね。
マキバオーなのね。
「ライムってドヤ顔で踏むためにあるのかよマザファッカー」
というGADOROのリリックが思い起こされた。
”「語感踏み」はライムじゃねぇだろ。”
という意見もたまに聞く。
「子音も母音も合ってないんだから韻じゃない」と彼らライム警察は主張するが、
“同じ様に聞こえる音”を使っていればそれは別に良くない?と思う。
同じ音を使うのが目的では無く、リズムを生み出すことが目的なのだから。
まぁつまり何が言いたいかというと、
「意味の通った韻が凄い」
ではなく、
「リズムを作り出す韻が凄い」
って言った方がダジャレとライムは違うよって説明にはいいんじゃない?
と思ったよ。ってハナシ。
メーン