HIPHOP

D.Oの犯した大罪、R指定の軽犯罪〜ラッパーはダサい〜

D.Oのリンカーン出演はお茶の間にラッパーのイメージを作り上げた

三つ編み、首元まで入ったタトゥー、口のグリル(歯に付ける金属のアクセサリー)など、恐ろしい見た目ランキングのTOP3に入るD.O
だが一度話し始めれば、おちゃらけていて親しみやすいキャラクターだ。
HIPHOP好きではなくても知っている人は少なくないだろう。


彼は独特なキャラクターをウリに色々なTV番組に出演している。
中でも一躍注目を浴びたのがダウンタウンが主演のバラエティー番組「リンカーン」の出演だろう。

練マザファッカーのリーダーとして「ドッグス」と呼ばれる仲間達と、
弟子入りしてきた中川家の剛を一人前のラッパーとして育てるという
ドキュメンタリーの体を取ったプログラムだった。

だが、ご存知の通りリンカーンはお笑い番組である。
笑える要素をふんだんに盛り込んだ編集は、お茶の間に「ラッパー」と言う存在を面白おかしい人種として紹介してしまった。

言うなれば、未開拓の部族に密着し、奇異なしきたりや習慣を驚きを持って紹介するのと同じ構図だった。まるでマサイ族の様な扱いだ。
それを象徴する様にこのプログラムの名前は「ウルルン滞在記」をもじって
「ウルリン滞在記」となっている。


D.Oは語尾に「〜メーン」や「〜って話」など決め台詞を使い、それが笑いどころになっていた。
ラッパーという存在をぼんやりとしか認知していなかった世間は、変な言葉遣いでアホみたいな振る舞いをするD.Oをラッパーの代表例としてみる様になった。

ラッパーといえばオーバーサイズの服を着て「YO!YO!」や「チェケラッチョ!」と言うものだというパブリックイメージが出来上がっていった。

あの番組からラップも、HIPHOPも笑いのタネとして見られる様になっていったのである。
HIPHOPの人間は偏差値の低いバカな人間達と見下され、冷ややかな嘲笑を持って見られる様になっていった。

キングギドラ「公開処刑」は世間との隔たりを作ってしまった


キングギドラのZEBBRAやK DUB SHINEなどに代表される、ダボダボの服やキャップにジャラジャラの金のネックレスの姿は誇張されたイメージを持って世間からバカにされてきた。

その壁を壊そうとしていたのは公開処刑で盛大なDISを受けたDragon Ashだった。



昔から散々議論がし尽くされてきたので、この記事で改めて詳しい説明はしないが概要はこうだ。

・HIPHOP好きなkjはロックとHIPHOPを融合したミクスチャーバンドDragon Ashを結成
・ZEEBRAが『Grateful Days』に客演として参加し、ヒットを記録する。
・突如としてZEEBRAがkjを「自分のモノマネだ」としDIS
・キングギドラとしてDIS曲「公開処刑」をリリース
・落ち込んだkjは謝罪
といった流れになっている。

Dragon AshによりようやくHIPHOPが世間に浸透しそうな時流が、
この事件によって、HIPHOP業界は逆に閉鎖的な村社会に衰退していく。

世間ではDragon Ashを擁護する声の方が大多数だ。
だがHIPHOP好きの人たちは「公開処刑」を賛美してしまったのである。

Dragon Ashの様に売れてしまえば「セルアウト」と呼ばれる謎の文化を使い、
狭い村社会に閉じ籠ろうと彼らの習性が働いてしまった。

そしてHIPHOPには「ビーフ」と呼ばれる公開の喧嘩文化がある。

「キングギドラはビーフを仕掛けて盛り上げようとしたのに、乗ってこないなんてやっぱりDragon AshはHIPHOPじゃないフェイク野郎だ。」と言う論調がHIPHOP業界ではメインの流れとなった。

逆に世間では謎の未開拓民HIPHOP村人達の理解できない習性として見られ、
更に世間との溝を深めることとなった。

R指定の軽犯罪〜びっくり人間としてのTV出演〜

UMB三連覇を果たしたバトルMCとして名実共にNo.1であるR指定も、
2020年の現在、TV業界のおもちゃにされている。
アーティストとしてのラッパーではなく、単なるびっくり人間として扱われているのである。

「華丸大吉&千鳥のテッパンいただきます!」や「有吉ゼミ」などで
聖徳太子ラップ披露しているR指定。

お題を何個かもらって即興でラップする。
扱いは芸人と変わらない。ねずっちと同じだ。


視聴者は「わーすごい。面白ーい。」と一瞬の娯楽として楽しむだけだ。
「凄い」とはなるかもしれないが「かっこいい」とは残念ながらならない。

呂布カルマやACEも同じ様に「ゴッドタン」などのTVに出演している。
そこにはもれなく「ラッパーなのに○○」という枕詞が付く。

フリースタイルダンジョン Mステでの失敗・・・・


極め付けはテレビ朝日「ミュージックステーション」への出演だ。
フリースタイルダンジョンの初代モンスターが全員出演し、「Monster Vision」を披露した。

これがホントにひどかった・・・・。

「今日俺の好きな人達出るから一緒に見ようよ。」
と女の子と観たのだが、
「え・・・?こんなのが好きなの・・・・?」
とドン引きされる事態に陥ってしまった。


だがそれも仕方なかった。
そもそもこの曲は一般ウケする様な、カッコいい曲ではない。

トラックも洗練されていないし、出演するラッパーも
カッコいいと思わせるラッパーはいない。(世間一般から見て)

HIPHOPの悪い所を前面に押し出してしまったこの放送は見ていて非常に恥ずかしかった。
特に以下の3つだ。


①みんなのコーラスがダサい
韻を踏む所で声を重ねるのは、HIPHOPのライブではお馴染みだが初めて観るとクソダサい。
まず揃ってないし、声質も違和感がある場合が多い。
あとみんながワラワラ集まって手のフリやらを張り切ってやっているのも空回りに見えてしまう。

②ZEEBRAのコールがダサい
曲の冒頭で「モンスタービジョン!はーじめーるぞー!」とドヤ顔で叫ぶ。
全然かっこよくない。

③ラッパーの紹介文がダサい
「狂気のブラックエンペラー」「浪速のtoo shy shy boy」
・・・ダサい
厨二感丸出しである。

般若のバスローブ姿も意味がわからなかっただろうし、全くラップを知らない人が「かっこいい」と思わせる要素は皆無だった。
せいぜい普段からフリースタイルダンジョンを見ている人が喜んでいたぐらいではないだろうか。


MOL53(RAWAXXX)の主張は正しい?
〜MOL53 VS GADOROのKOK2017決勝戦〜

「革命はTVには映らない」ラッパーが好んで使う言葉だ。
更には「ホンモノのHIPHOPはTVには映らない」という意味を込めて使うラッパーが多い。

King of Kings 2017の決勝はGADOROとMOL53(RAWAXXX)の因縁の試合だった。

GADOROはTV出演肯定派であり、
「いやだからぁお前がTV出て言いたいこと言えばいいだろ。」は正論だった。
MOL53はTV出演否定派であり、
「売れたいならフリースタイルダンジョンにもう出てる。」と反論する。

結局GADOROがこの試合には勝利することになるが、MOL53のこの主張は
「なんで頑なに意地を張っているんだ?」
と観客も審査員もみんなクエスチョンマークが頭から出ていた。


だが、MOL53が主張したかったのは、
「ラッパーがTV出ても、ダセェ様に見えるだけじゃねえか」という事だろう。

TVに出るためには、今までD.Oやキングギドラ達が築き上げてしまったTVでのHIPHOPイメージを踏襲するしかない。
「世間がイメージするラッパー」としかまともにTVに出演できないのだ。


アーティストとしてのラッパーがTVに出演する土壌は全くと言っていいほど出来ていない。
まともにアーティストとして扱ってくれる番組は「流派R」ぐらいのものだ。

「出てもねぇくせに何いってんだ」と言うGADOROの主張も正しくもあるが、
「D.OやR指定の様にびっくり人間として出るぐらいだったら出ねぇ方がマシだ。」
というMOL53の主張は正しい反応と言える。


ラッパーがアーティストとしてTVに出れる日は来るのか?



以上の様なMOL53の主張も、アーティストとしてのラッパーが出演出来るならば文句はないはずだ。
だが現実はそう簡単ではない。
KREVAやAK-69クラスのラッパーでもMステなどのゴールデン番組には
そうそう出演することは出来ない。

ゴールデンの番組に出るためには、話題性一目見てかっこいいと思わせる様なクオリティが必要なのだ。

フリースタイルダンジョン界隈のラッパーより、ちゃんみなや変態紳士クラブ、唾奇といったラッパーの方が「スタイリッシュなHIPHOPアーティスト」としてMステなどのTVに出るべきだと思う。

だが、地に落ちている今までのHIPHOPのイメージが足を引っ張り、実現するにはまだまだ時間がかかりそうだ。



キャラクターや韻を踏むスキルではなく、作った音楽の力だけで評価されメディアに出なければ世間からのHIPHOPに対する価値観はいつまでも変わらない。

R指定がKREVAを超えるのはまだまだ先になりそうだ。

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ショーペン
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HIPHOPが嫌いだけど好きな元バンドマン。28歳。 Twitterをフォローして頂けると更新をお知らせいたします。 小鳥をクリックすると僕のTwitterアカウントに飛べます。         ↓↓↓↓↓

POSTED COMMENT

  1. アバター   より:

    Mステだと音響クソだし、テレビで聞くとちゃっちくなるからヒップホップはすげーダサく演出されてしまうと思う。ロックもそうだけど、ロックンロール!!とか叫んでるとイタイなーて感じるしね笑

  2. アバター 匿名 より:

    こんなくそしょーもない記事で稼ぐお金で食う飯はおいしいですか?そこら辺のうじ虫記者の記事と変わらん内容

  3. アバター 匿名 より:

    糞ダサい老害ギドラが泣き喚いて新しい芽を潰したんだよね。DAは先輩を立てて身を引いた感じだね。散々ジブラ も恩恵受けてテレビ露出増えたし知名度も上がって地区大会レベルだったのが全国大会レベルに底上げして貰ったのに恩を仇で返す老害とはこの事だね。それに当時日の当たらなかったHIPHOPにせっかく救世主の神童が現れたのに老害が自分たちで追い出してしまった。そしてダサい老害ラッパーとそれを慕う超少数のデブブサ田舎ラッパーが残った。そりゃ衰退するわけだ。
    本当に情けない。

  4. アバター 匿名 より:

    みんな頑張ってるんだよ
    頑張ってるやつを小馬鹿にしたり笑いにしたりする方がダサくないか

  5. アバター 匿名 より:

    オーバーグラウンド無くしてアンダーグラウンド無し。
    UGがOGに噛みついて楽しいのは、ちゃんと米国みたいに大衆市場(OG)が確立して賑わってる国だからこそであって、ラップが完全に大衆に市場として定着しきる前に米国の真似をして噛みついても只の内部崩壊であって意味が無い。
    アメリカだってOG市場が確立した後でUGの反抗みたいな事が生まれた筈。

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